イヴァナ・チャバックの演技術 俳優力で勝つための12段階式メソッド 背表紙
こころの知恵

ハリウッドセレブたちは知っている、人生で成功するために必要な12のテクニック!

二〇〇〇年以上も昔、アリストテレスは、人が勝つための葛藤こそが、あらゆるドラマのエッセンスであると定義しました。あらゆる障害物や人生の葛藤を克服して勝つことこそが、ダイナミックな人間をつくるのです。キング牧師、スティーヴン・ホーキング、スーザン・B・アンソニー、ヴァージニア・ウルフ、アルバート・アインシュタイン、ベートーヴェン、マザー・テレサ、ネルソン・マンデラ……こういった人たちは全員、自分たちのゴールを達成するためには、人生のなかで、打ち勝ちがたい葛藤を克服しなければならなかったのです。実際、障害が大きければ大きいほど、その障害を克服すべく、彼らはより大きな情熱を自分のなかから引き出し、より深遠なる偉業や貢献を成し遂げたのです。彼らは、試練があったにもかかわらず、驚くほど優れた人間になった──というのではないのです。逆に、試練があったおかげで、そのような人間になったのです。役作りをする際に私たちが再現したいのは、まさにその性質です。逆境にもかかわらず勝とうとしている人を見るほうが、人生の苦悩に耐えることをよしとしている人を見るよりも、断然、魅入られるでしょう。勝者になるためには、実際に勝つ必要はありません。勝者はあきらめないのです。敗者は敗北を受け入れます。

自分を良く知れば知るほど、あなたはより良い俳優になります。あなたは、あなたの動機について、深く理解している必要があります。この12個の演技ツールは、あなたが自分の魂の奥深くまで堀り下げ、私たちの誰もが持っている、ありとあらゆる素晴らしい悪魔たちを明るみに出し、その通り道を作ってあげることを助けます。あなたのダークサイドや、トラウマ、信念、優先順位、恐れ、あなたのエゴを突き動かすもの、あなたに恥だと感じさせるもの、あなたのプライドを発動させるものこそが、あなたの個性であり、あなたの俳優としての絵の具なのです。

12個のツール:

1 全体の目的:
あなたの役柄が、人生で何よりも欲しているものは何ですか? 脚本全体からあなたの役柄が求めているものを発見します。

2 シーンの目的:
一つのシーン全体において──役柄の《全体の目的》をサポートする──あなたの役柄が求めているもののことです。

3 障害:
あなたの役柄の《全体の目的》と《シーンの目的》を達成することを困難にしている肉体的、感情的、メンタル的な障害を決定します。

4 代替者:
シーンのなかの別の俳優に対して、《全体の目的》、《シーンの目的》を鑑みて、理に適っていると考えられる、あなたの実生活のなかにいる誰かをあてがいます。例えば、もしあなたのキャラクターの《シーンの目的》が、「あなたに愛してもらう」であれば、今の人生のなかで、あなたが、今すぐ、何がなんでも、そして完全なかたちでその愛を本当に必要としている誰かを見つけるのです。このように、現実に存在する人物が本当に必要としているものこそが、あなたに多様なレイヤーをもたらしてくれるのです。

5 インナー・オブジェクト:
ある人、場所、物、出来事などについて、話したり、聞いたりしたときに、あなたが心の中で見る映像のことです。

6 ビートとアクション:
《ビート》とは思考のことです。思考に変化が起きるたびに、《ビート》も変わります。《アクション》とは各ビートが持つ小さな《目的》で、《シーンの目的》をサポートするものです。したがってアクションは《全体の目的》もサポートします。

7 MB(すぐ前の瞬間):
シーンを始める前(あるいは監督が「アクション!」と叫ぶ前)に起こる出来事のことで、これが肉体面・感情面の両方であなたが動くための出発点となります。

8 場所と第四の壁:
《場所》と《第四の壁》を使うということは、ほとんどの場合、ステージ、映画撮影用の防音スタジオ、撮影セット、教室、あるいはロケ地において、あなたの役柄の物理的な現実に、あなたの実生活に存在する《場所》の特徴を賦与することを意味します。《場所》と《第四の壁》を使うことで、プライバシー、親密さ、過去、意味、安全性、リアリティが生まれます。《場所》と《第四の壁》は、他のツールにおけるあなたの選択をサポートし、理に適ったものでなければなりません。

9 ドゥーイング:
ビヘイビア(相手に対する振る舞い・態度・行動)を生み出す小道具の扱い方のこと。話すときに髪をとかす、靴ひもを結ぶ、飲食をする、ナイフで切り刻む……が《ドゥーイング》の例。

10 インナー・モノローグ:
声には出さないけれど、あなたの頭の中で語られる台詞。

11 過去の状況:
あなたの役柄の歴史のこと。あなたがなぜ、そしてどのように世の中で振る舞うのかを決める人生経験の蓄積のことです。そして、役柄の《過去の状況》を、あなた自身の状況を使ってパーソナルなものにすることで、あなたは本当に、そして情熱的に役柄の行動を理解し、その役柄になり切って生きることができます。

12 手放す:
チャバック・テクニックは、俳優の知性も使いますが、一連の知的エクササイズというわけではありません。このテクニックは、本当にその役を生きることによる辛辣さや生々しさが生まれるほどに、リアルな人間の振る舞いを創り出すための手法なのです。人生の自然な流れを再現し、無意識に動けるようにするには、頭で考えることをやめねばなりません。これを達成するには、あなたはここまでの11個のツールを使ってやったワークを信頼し、《手放す》必要があるのです。

この12個の演技ツールは、あなたの存在感を維持し、生々しく、深遠かつダイナミックで、パワフルな演技を生み出してくれるような、充実した基盤を創り出します。

(『イヴァナ・チャバックの演技術 俳優力で勝つための12段階式メソッド』より抜粋)

書籍データ

イヴァナ・チャバックの演技術 俳優力で勝つための12段階式メソッド 表紙
概要ブラッド・ピット、ハル・ベリー、ジェームズ・フランコ、ジム・キャリー、リブ・タイラー、キャリー=アン・モス、ピンク、ビヨンセ……ハリウッドのセレブたちが熱烈に師事する「カリスマ演劇コーチ」の主著、待望の日本語版。アメリカでは刊行すると忽ちベストセラーになり、今や全米の数多くの大学で教科書採用され、14か国以上の言語にも翻訳されています。人間の深層心理への洞察力に基づくこの「12段階式メソッド」は、勝つことに徹底的にこだわっていますので、「人生で成功するためのテクニック」として、俳優だけではなく、歌手、脚本家、監督、プロデューサー、経営者、ビジネスエグゼクティブら……広い層からの支持を集めています。
タイトルイヴァナ・チャバックの演技術 俳優力で勝つための12段階式メソッド
著者名イヴァナ・チャバック
出版社白水社
刊行日2015年9月7日
判型A5判
頁数366頁
定価本体価格2500円+税
ISBN978-4560084533